NANAKOの海外移住日記

変化を好み、移住をくりかえすマルチリンガルです。母国日本も大好き。現在は台湾。

ある上海のIT企業で職場観察した記録

中国政府が最近、海外からの研修生を増やす趣旨を発表したようですね。一足早く中国の企業を見ることができたのでどんな感じだったか記録しておきます。

平均年齢35歳ぐらいの若い部門です。

 

1)あいさつを一切しない
朝来た時も帰る時も上司が来ても、なんなら目が合ってもしーん。でもみんな仲良しだよ。

2)枕持参してお昼寝をする
昼休憩は1時間半もある。昼食後、机に枕を出してしばし昼寝をするためだ。

3)トイレが長い

一度トイレにいったらなかなか戻ってこない人が多い。30分戻ってこないこともある。だいたい便器に座って扉を締め、携帯をいじっている。

4)男性も女子トイレ使う

女子トイレはすべて扉つき。さらに職場の男女比は8:1ぐらい。結果、トイレで長時間休憩したい男性が女子トイレに居座る。これ毎日。女性的には少し用を足しにくい。

5)デスクトップの下に本を重ねて一番良い高さに調節している

そのためほとんどのPCが変に傾いている。

6)時間はちょっぴり適当

出勤が少し遅れても、昼休憩が10ぐらい少なくても全く問題なし。退勤は定時より15~30分ぐらい遅れるのが普通。時々キリが良いところまで1時間近く残業してることもあるが、手当はつかない。トイレに長くこもったりしてなんとなく調節しているのかもしれない。

余談だけれど、最近日本の某会社で10日間、毎日3分お昼休憩に早く席を立った従業員が30分間の給料を削られたというニュースが英語に翻訳されていて、中国人たちにそんな社会に住んだら狂うという感想をもらった。

7)何があろうと「百度」に頼る

エンジニアたちは、中国のネット制限をくぐって海外のサイトにアクセスする方法を知っている。ちょっとの専門知識があれば中国でも世界の情報を見ることは十分可能です。にもかかわらずほとんどのエンジニアは仕事でも中国の国民的検索サイト「百度」を使う。グーグルと百度を両方使ったことがある人は真っ先に感じたと思うが、百度の情報量とその使い勝手は、グーグルが神様に見えるほどの差がある。したがって困難に直面したときの解決策は世界的な検索エンジンに求めたほうが明らかに効率が良い。ITの技術は日々すごいスピードで進化するので、情報や論文は新しくてたくさんあることに越したことはないのだ。にもかかわらずここの人たちは「百度」にヒントを求め、結果相当な時間を浪費する。彼らは英語を読めるのに百度検索にこだわることが、私にとって摩訶不思議に思える行為です。
(ちなみに東電とかみたいに、技術の情報漏洩を恐れてネットをつなげず職務中は携帯も取り上げ!なんてことはこの会社はしてません。)

8)真面目

基本的にがんばるしよく勉強する。分からなければ他の人に聞いて何とか理解しようとする。謙虚でもある。

9)人間関係が良好

余計な上下関係がない。いちおプロジェクトリーダーみたいのはいるが絶対服従って感じではなく、上から目線の発言やもちろん暴言などは一切ない。技術者たちというかんじである。プライベートの過干渉は一切なく、心地よい距離が保たれていて働きやすい職場であると思う。特定の人について悪口や妬みをいう人もいない。一方でメンツを守り合っているイメージも受ける。

10)事務の仕事がしょぼすぎる

事務は7,5時間の勤務時間のうち15分ぐらいしかやることがない。たとえばある女性の仕事はみんなの昼食の手配(微信のグループチャットで今日の昼食はどーする?と毎日聞く。食堂ならすることなし。出前サービスなら皆からメニューを聴き注文する)と給水機の机の掃除だけである。それ以外はデスクトップの前にただ座って遊んでいる。他にも入口に座っているだけの女性、会議のときにペットボトルを用意する係など、そんなに雇う必要ある!?っていう人数がしょぼい仕事を分担している。

11)マネージメントが苦手

これは多くの日本人にも共通することかと思う。まずは全体や目的から見て何が必要で何が必要でないかの選択、どの順番ですると効率がよいかなど最初にしっかり考えて計画することが絶望的にできない。思考能力を養えない教育の問題だと思う。こういうところは非常に日本と似ている。優秀で真面目な技術者がたくさんいるのに生かしきれてないのはホントにもったいない。

12)生産性という概念がない

これも結果的にはマネージメント不足だろうけど、あんなに頻繁に会議するわりに一向に生産性は上がっていないし、そもそも自分の仕事がどの部分の何をしているのか知らないエンジニアまでいるという。

 

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あくまで1つの企業の一つの部門を個人的な視点でみた様子なので一般的な基準ではありません。

 

もうひとつとっても興味深かったのが、香港から来たばかりの若いエンジニアが他の中国人同僚たちと全く勤務態度が違ったこと!彼はアメリカの大学で数学を専攻していたらしいが、とにかく考え方がフリーでバランスがよく、アクティブで論理的。中国語は下手だけど英語はネイティブスピーカーである。そしてなんでも言っちゃう。「中国の政治体制は不満だ」「抗議しなきゃいけない」なども(英語で)平気で言う。そして会社のPCを使わず、自分のノートパソコンで作業。かなり異例の存在でした。

一方で中国人エンジニアたちはとても大人しく受け身な印象がありました。英語を話せる人は多いけどすすんで話そうとはしないし、会話は少なく、表面的なことしか言わずとにかく無難。そして誰も目立たない。仕事で困難に遭遇するとなんとかして回避しようと時間稼ぎをし、問題を直視しない傾向もあった。でもみんな思いやりがあってとってもいい人たち。人種差別的な人は全くいない。

 

研修生としてドイツの大学から4か月間、派遣された学生たちのこの会社への感想は”無理。もう中国では働かない”だった。特に11と12がありえないレベルだったそうだ。ドイツではやりすぎぐらい時間をかけて吟味するとこですからね。あまりにマネジメントができておらず、1か月ぐらいやることがなかった研修生もいたほど。もったいない!そして研修で学べた技術はほとんどなかったという。中国のエンジニアは勉強熱心だが経験が少なくアイデアもあまり持っていないのだそう。だからびっくりするような簡単なことに対処できないらしい。これはドイツの学生レベルが高かったのかこの部門のレベルが低かったのかどっちかは私には判断できない。

でもこの会社の国際貿易部門で働くある中国人女性は”あなたたちのいるところ、会社のエリートのよりすぐりだよ、トップエンジニアばかりなんだよ、みんなめっちゃ賢いでしょ。言葉も堪能でしょ。クリエイティブの部門なんだよ”ととても自慢げに語っていた。

クリエイティブのトップ部門・・・・。

この会社を見る限り、ドイツ人や香港人たちと中国内陸の人が分かり合える日はまだまだ遠そうだと思ったのでした。

 

下次見!