NANAKOの海外移住日記

変化を好み移住をくりかえす5か国語話者です。母国日本も大好き。現在は台湾。

完全コントロール社会

国民すべてを点数制で格付けする完全コントロール社会が中国で始まっています。

あらかじめ点数を与えられ、そこから「良い行い」をした場合は加点され、「悪い行い」をした場合は減点されるという。

中國政府が”社会信用体系”と表現するこのシステム、真っ先にわく疑問がこれでしょう。

良い行いと悪い行いの基準は?

 

例を挙げてみましょう。(中国の百度を徘徊しましたが見つけられなかったのでドイツのサイトに載っていた内容から)

1)献血をすれば加点。

2)一人で大きな家に住めば減点。

3)小さい家にたくさんの人が住めば加点。

4)一人で大きなワゴンにのって通勤してる人は、借りた自転車で通勤してる人よりも減点。

5)借金を返済できない人は飛行機や長距離電車の切符を変えない。(行動を制限)

6)交通違反は減点。

7)遅刻、ドタキャンは減点。

 

ある都市で実際にあった具体的な点数の例↓

 

8)親の面倒を見なかったら50点減点。

9)お役所に抗議をしたら50点減点。

10)ネットやSMSである人に対し間違った批判をしたら100点減点。

11)社会に対し誠実な人が道で見知らぬ老婆を助けたら10点加点。

12)政府からの推奨を受けると100点加点。*1

 

試験的に行われた上東省にある都市では、2014年に点数からA+、A、B、C、Dの五段階にランク付けをしました。A+とAの人には人生において自由な選択を与えられ、CとDの人には大幅な制限が設けられました。

たとえば、融資を受けられない、住居を自由に買ったり借りたりできない、良い仕事や子供が良い学校に行く道を絶たれる、などだそうです。

政府に対し批判をした人が罰金と謝罪を要求され、言われた通りに行ったにもかかわらず、飛行機や長距離列車のチケットが買えなくなっていた、などの例もあるそうです。

このシステムは2020年までに完成し、すべての中国国民が点数を持った状態で政府のコントロール下に置かれるという。

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なんか、あんまり現実味がないような・・・。大きい家云々とかホンマか!?って感じですね。反資本主義を徹底するという趣旨でしょうか。あくまでウチは社会主義で!と。

とはいえ、ここまで行き過ぎなければどこの国でもやってるシステムではあります。たとえば犯罪を犯した人は海外へ行くのを制限されるし、借金を返せない人が借りれる住宅だって自由ではありません。

学歴が高い人が、良いといわれる会社に入ることもいわば似たようなシステムです。学歴(=点数)が高ければいい会社選びの選択肢が増え、低ければ入れる会社が制限される。

ただ中国のように、全ての人が同じ方向を向くように仕向けた得点のつけ方はどうでしょうね。政府に権力が集中する以外のメリットがありません。

いや、国民側のメリットも少しはあるかもしれない。

たとえば中国の交通事情が大幅に改善する。減点を恐れて皆が気を付けるようになる可能性が高い。そのうち「公共の場で唾を吐いたらマイナス」とかこまごまと付け足され、マナーの面でも改善が見込めるかも。これは大きい。

あとは、お店や経営者にとっては遅刻が減って万々歳かも。ドタキャンが減点ならそれに対する一人一人の責任感が増すかもしれませんね。

これぐらいしか思いつかない。

ではデメリットは?

加点減点の内容を決定する人たち=共産党の政治家が細部にわたって国民をコントロールできること。

さらに怖いなあと思うのは、当然他人を陥れようとする人が出てくること。役人が独断で権力を駆使できること。めっちゃ怖い。恨まれたら気が気じゃないですね。減点されないようにびくびくして生きなきゃいけない。「法律より政治家」という国の方針と同じく、「法律より点数」が大きくなって、悪用する人も増えるでしょう。

何が最も危険かというと、大部分の加点や減点の対象が人々の「行為」に対して行われることです。大きな家に一人で住む、などの事実確認ができるものは比較的簡単ですが、「困っている老人を助けた」などは自分で「私、昨日助けました!」という自己申告でハイ、加点、などとはなるわけがない。

逆に「昨日私、〇〇という男にお金取られました!」と誰かが申し出たら?〇〇がその場で減点されるのか?

その裏付けや事実確認または証拠や証人が必要になってくる。

結果いくらでも口裏合わせができるし、人を陥れることもできる。このへんはどのように判断されるのか全くわかりませんが、悪用が簡単である上に権力者にさらに権力を与える結果になります。しかもめっちゃ手間もかかる。

点数制度をめぐる裁判とかできるのかしら。それともあくまで権力者の判断で決めるのかしら。

さらにまだ恐ろしいことがあります。それは家族の連帯責任があるということ。親の点数が子供らの将来にも影響が及ぶという。こんな恐ろしいことってある?まるで生まれつき悪い遺伝子を持つものがいる、みたいな発想ですやん。さすがに世界ナンバーツーの国でこの発想は遅れすぎてないか?

・・とはいえ、私が考えると恐ろしくてたまらない家族連帯責任でも、今だ身分の格差がある中国では点数次第で身分の低いものが高くなるチャンスも広がるわけで、農民にとってはそんなに悪くない制度かもしれません。

 

莫大なお金をかけてインターネット制限しちゃうとか不思議なこともするし、発展したいのか後退したいのかわかりませんね。中國には本当に不思議なアイデアがてんこもりです。

 

 

 

明天見!