NANAKOの海外移住日記

変化を好み、移住をくりかえすマルチリンガルです。母国日本も大好き。現在は台湾。

30センチ腕を動かしただけで

先週の金曜日、帰るのが遅くなり終電ギリギリで飛び乗ったものの、最寄り駅まではたどり着けず、タクシーで帰ることとなりました。

最終の駅で降りると外は大雨。

タクシー乗り場には長蛇の列ができていました。

乗り場にはそれなりに大きな屋根はあったものの、列が長く、屋根からはみ出た人たちは傘をさしながら並んでいました。

なぜか感動しました・・日本人ってほんとにすごいと思いました。

あんなに大雨の中でも屋根の下に入らずに皆ちゃんと並ぶ。中には傘を持ってない人もいました。

スーツ姿でずぶ濡れで並んでいる若者も。

こんなん他の国なら並ぶよりも濡れないほうを優先して屋根の中に入って待つでしょう。間違いない。そしてそれに誰もが納得する環境でしょう。

しかし日本人は先に待っている人に敬意を払い、うっかり抜かさないように気をつけながらもっとも確実な方法で順番を待つ。・・それで自分の髪や服が濡れてしまっても・・。

もちろん私の意見は、大雨が降っているのだから濡れないように皆屋根の下で待つのが最善だと思う。ここまで素晴らしい行動をとれる日本人なのだから、屋根の下で順番がごちゃごちゃになったとしても、先にどうぞ、とか気持ちよく譲り合ったりできるはず。

しかし偶然居合わせた他人同士が会話することがほとんどできない文化であることも事実。やはり一番わかりやすい状態で、つまり並ぶことで、意思表示を表すしかなかったのだろう。

それでもやはり、仕事を終えて終電で帰る疲れた人たちが濡れながら待たなければならないのは見ているほうも心が痛むものです。今日は夕方から雨が降り出したから、傘を持ってない人も多かったのでしょう。

 

私も列の最後尾に傘をさしたまま並びました。

その後ろにもどんどん人が並んでいきます。

私のすぐ後ろに並んだスーツ姿の年配の人は傘を持っていませんでした。

私はつい自分の傘をその人の方向にずらしました。持っていたのが折りたたみの小さな傘だったので、自分とその人の頭を少し雨から守れる程度だったのですが。考えるより先に身体が動いた感じ。

その人は動揺して「すいません」と言ったのですが「いえいえ気にしないで」とそのままタクシーを待つこととなりました。

その方はフレンドリーで、いくらか会話を交わしました。

日帰りで横浜まで出張に行き、この時間に再び大阪に戻ってきたんだそうです。

そりゃ傘持ってないのしょうがないですわ・・・!朝は晴れてたもんね・・・!

その後、帰る方向がだいたい同じであることが分かり、一緒にタクシーにのることにしました。

そのあとの展開はお察しの通りです。

先に降りる私が差し出したお金をその方は頑として受け取らず、「どうせ会社が払うんだから、俺が払うんじゃないから」と走り去っていきました。

たまたま方向が同じだったという幸運があれど、たった30センチ腕を動かしただけの微々たる行為に、これ以上ないような自然な方法で最大のお返しをしてくれたその機転と心にとてもほっこりした、久しぶりの母国でのお仕事帰りの出来事だったのでした。

現代的にはウィンウィンっていうのでしょうか。

・・・あの方が本当に私に言った場所に住んでいるのなら。。。

日本ってほんと敬意や思いやりがあふれている国だなと感じます。

 

それではまた!