多言語話者の海外移住日記

変化を好み移住をくりかえす5か国語話者です。母国日本も大好き。現在は台湾。

ドイツの大学で学んで良かったこと8つ

ドイツの総合大学にフルで行ってみてここがよかったとか好きだった、価値があったと思う点をあげてみます。ベタかもしれませんが、個人的に感じたことです。

 

8位:セレモニーがなかったこと

完全に個人的な意見ですが、入学式、卒業式などの式典が一切なかったこと。お金をかけてあんなに大々的なセレモニーをする意味が私にはよく分からないので。卒業も、卒論の結果が出たと連絡があったあと、好きな日に卒業証書と最終成績表などの紙をもらいに行ってあっさり終わりだったのが好きでした。

 

7位:柔軟だったこと

単位や卒業にあたっての必要な規律は細かく決められていますが、色々な個人がいることがちゃんと配慮されていました。ドイツの大学は厳しい厳しいと言われがちです。それは間違っていません。しかし色々なところに逃げ道は用意されています。学生の進度によって指定期間以内に必要な科目に合格できなくても、猶予が与えられたりします。他にもほとんどの講師は、英語で論文を書くことを認めています。ある筆記試験では”母国語者か非母国語者か”チェックをつける蘭がありました。文章がちょっと変でも単語のスペル間違ってても理解できれば見逃しますよということです。

私の学科で必須だったラテン語も、母国語がヨーロッパ言語でない学生は、他の古代言語に合格すればラテン語は免除されました。これは非常に助かった。外国籍の学生への言語ハンディもところどころに考慮されていました。

 

6位:講師と学生の距離が近かったこと

馴れ馴れしいという意味でなく、お互いに尊敬しあいながらしかし意見を言い合えるという意味でとても新鮮でした。授業では講師の意見にたいして学生が、私はそうは思いません、むしろ逆だと思いますとか普通に発言していて講師も議論を快く受け止め歓迎する。メンツとか関係なく、純粋で対等でした。

授業の後には質問をしにいってもよかったのでよく行列ができていたし、週に一度は個人的に講師の部屋を訪ねてもいい時間がありました。むしろプレゼンの前の週や論文の締め切り前は必ず講師を訪ねて確認やアドバイスをもらいに行きました。

 

5位:学問の基礎を徹底されたこと

私が無知すぎただけかもしれませんが、日本にいたときは大学ってなんのために行くのかよくわかりませんでした。学歴のため?就職するため?専門知識を得るため?それとも単に興味のあることを勉強したい好奇心?違う違う。大学とは”研究者の卵を育てるため”の機関です。研究者になるための基礎を徹底して叩き込まれました。学問とは何か?から始まって、プレゼンや論文の書き方から文献の選び方、視点の持ち方について、論理的思考方法、さらには印刷機の歴史まで。研究者の方には当たり前に理解できることでしょう。

 

4位:多種多様な学生がいたこと

これは非常に面白かった。ドイツ人だけでなくいろんな国籍の学生と一緒に勉強できたこと。語学学校のように意思疎通に苦労する環境ではないので、さらに深く国民性や背景を知ることができます。たとえばドイツ人学生とアメリカ人学生のプレゼンの仕方って全然違う。さらにヨーロッパ人とアジア人も違う。同じテーマについての意見でも、それぞれ育ってきた国の考え方や視点の違いを知るのはとても興味深かった。ちなみに講師もいろんな国の人がいました。

 

3位:補修授業があったこと

各必修科目に必ず補修授業がありました。本授業と同じく毎週あるので完全に復習です。講師がすることもあるけど主に博士課程や修士課程の学生がやってくれます。優秀であれば学士過程の学生でもできます。しかし和気あいあいといった感じではなく真剣な授業そのもの。教えるほうは単位かお給料をもらってるし、学生のほうも1単位もらえるので非常にいいシステムでした。修士や博士の先輩の能力や知識量とかもいっぱつで分かるので、修士ってこんなレベルなんだな~とか参考にもなりました。ちなみに博士課程の人はホントにすごかった。

 

2位:生産性が高かったこと

これを一位にしようかと迷ったけど。生産性が高かったとはまず

1.学費が無料だったことで学費を稼ぐ時間を短縮できた。

2.専門知識と同時に生きた語学力も身に付いた。自分の学科とドイツ語学科を同時にやったようなもんです。しかも獨協大学のドイツ語学科よりはるかに高いレベルで。

この2つによる生産性の高さが個人的にはドイツの大学に行く一番の価値じゃないかと思います。

 

1位:天才が身近にいたこと

欧米の大学の特徴は”入学が易しく卒業が難しい”とよく言われますが、それは入学時の学生のレベルがピンキリだということです。言い換えれば、別世界に住んでいる天才と同じ場所で勉強できるかもしれないチャンスです。異次元にいる天才を身近で知れるなんて、ほとんどの(私を含めた)凡人には与えられない貴重な機会でしょう。

運がよかっただけかもしれませんが、私の学科には”リアル北島マヤ”がおりました。あんなん漫画の中だけでほんまに存在するわけないと思っていたこと、大変失礼しました。あれは実在の人物の記録だと思われます。ドイツ人のリアル北島マヤについては間近でしっかり観察したので、いつか記事にしてその魅力を伝えたいと思います。

同じ世界にいながら別世界を生きている人って本当に存在します。それを想像するのはとても難しいですが、彼らは確実に私たちとは違う何かを持っています。天才との出会いは影響力がとても大きかったので1位にしました。

 

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今からドイツの大学(学士過程)または広い意味で日本語を使わない海外の大学を目指す人に伝えたい心構えは一つです。

ドイツ語(言語)はただの道具として、大学で習得したいものを明確にすることが重要ですよ、ということ。

あたりまえのことですよね。あたりまえなんですが、ドイツの大学に入学したのに途中で挫折する多くの日本人はこの部分が根本的に欠けています。日本の教育レベルは問題も多々あるとはいえ、世界で見るとかなりの高水準です。学力は発展途上国や後進国の学生に比べ圧倒的に有利です。なのに卒業できない。なぜか?それは上記のように持つべき心構えが下記のように間違ったことになっているからです。↓

ドイツ語がペラペラになりたいから(入試なしで入れる)ドイツの大学に行く!という、本来道具にするべき存在を大学に行く目的にしてしまう人がいる。考えてみてください。ドイツの大学に入学した時点で、アカデミックレベルの高度なドイツ語を習得すること!を目的としてる学生がどこにいるか?最初からもう方向性がズレてますよね。

仮にドイツ語を専門にしたいのであればもっと突き詰めたレベル、たとえば通訳になるとか文法を研究したいだとかもっと明確な目的が必要です。それによって入る学科だって違ってくるからです。ちなみにドイツ学(Germanistik)は唯一外国人がほぼいない学科なのでそれが何を指すのか、熟考したほうがいい。

 

でもそんなん言われても無理、ドイツの大学には入りたいけど、ドイツ語は避けたいという人は、日本かどこかで学士を卒業後、修士か博士課程に入りましょう。英語のみで行われる学科は多いのでドイツ語は必要ありません。

 

いやいや、日本の大学は学費が高いし生産性も低いしデメリットが多い、しかも東大とかの名門大に入れる学力なんかそもそもないけど真剣に勉強したいものがあるんだ、そのためにドイツ語の習得とか通過点に過ぎないわ、と考える人にドイツの大学は非常に適しています。私なんて底辺レベルの偏差値40とかの高校行ってて、その中でも欠点とか取ってましたので日本でセンター入試なんて受けてたらどこの大学にも入れないような学力でした。それでもドイツの大学は私を入れてくれて、チャンスをくれた。夢ありますでしょ。戦う舞台を移動するだけで花開くことはたくさんあります。上記のような8つの利点もありますよ~。もっとあるかも?

 

もちろんいいことづくめではありません。大学の大変さの例を書いた記事もあります。真剣に留学を考える人はこれも知っておいてね!試験は2回落ちたら退学OR専攻を変更し一からやりなおし!

www.dadadadaan.com

Tschüss!